好き嫌いではなくて、なんだか気になる監督さんというのが何人かいます。
その一人が園子音監督。
いま、新宿で公開している「ひそひそ星」をみにいきました。
かんじゅく座の座員が二人、エキストラで出演しており、
私も現場観たさで、参加させてもらったのです。
現場は案の定、ひたすら待機でした。
エキストラはどんな場面なのかもわからないことが多いので
これはまあ、仕方のないことですが
それでも、いったい何が出来上がるのか、
こうして劇場でみるのを、ものすごく楽しみにしていたのです。
で、ここから先は、ネタバラシになってしまうので
これからご覧になる方は読まないでくださいな。
女主人公がたんたんと配達を繰り返すとちゅうで立ち寄る地球が
すごく美しい。さびれた町並みは福島。
かなしくて美しい・・・・!
たくさん、思い出を配達した女性は、最後に写真を撮るのですが
この行為が、私にはズドンときました。
監督は3.11以降、福島にこだわっていたそうですが
それは原発の歴史とか善悪とか、むつかしい話ではなく、
単純にそこに住む人の生活を追いかけていて
ささやかな幸せが揺れてるのです。
写真を撮ったというのは、この女性が愛情を捨てていないこと、
希望を捨てていないことの象徴として
すごくストレートに伝わってきました。
「写真をとる」とか、そういう思い出を残す行為は
携帯電話にカメラがついてしまってから
なにげなく無意識にやっている人が多いと思うけど、
つらい時代を経た人にとっては、ものすごく勇気のいる行動だから。
というわけで、ここまでネタバラしをしておいて
「観てください」もなにもないのですが
1日4回もやってるし、新宿駅のすぐ近くのカリテですから、
よかったらお立ち寄りくださいね。
あ、水曜は混んでいます。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2016-05-21 22:10
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