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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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おいしいもの

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おいしいものを追求したいという人の欲求はかぎりなく、
グルメ本などの派手な演出をみると
ただただ「飽食」というイメージに襲われて
その裏に潜む様々な問題、たとえば世界の裏側の飢餓のことなどを
考えもしない日本人に、嫌気などさしてしまう私ですが、
先日、柄にもなく贅沢をしてみました。

2月14日のこと。
夫へのプレゼントとして
カウンターの天ぷら屋に連れて行きました。

天ぷら・・・・・

私は子供のころ、天ぷらが嫌いでした。
家で見ていた天ぷらは、あれは「天ぷら」ではなく、
「フリッター」だったような気がします。
ただただ衣がしつこくて、またその揚げ方は
いちいち父の癇に障ったのか、今度は父親が台所に立つ・・・
するともう、量ばかりの天ぷら、じゃなくてフリッターが出来上がる・・・
そういう脂ぎった時間でした。
天ぷらをおいしいと思ったこと、ごちそうだと思ったことなど
一度もありませんでした。

ところが、大人になって、親切なおっさんが
私を天ぷら屋さんに連れて行ってくれました。
カウンターでひとつひとつ、揚げてくれる、そのおいしさと言ったらありませんでした。
あのひ、私は天ぷらが好きになったのです。

世のみなさんが、おいしいというもので、私がおいしいと感じないものが
「ウニ」ですが
それを言ったら
「お前はおいしいウニを食べたことがないからそういうことを言うんだ」と
鼻で笑われました。
たぶん、そのとおりでしょう。

さて、夫と行った天ぷら屋ですが
老舗中の老舗ではありますが、日曜日の12時半はガラガラ・・・・
完全貸し切り状態でスタートしました。

じゅわっ・・・大きな鍋で泳がせるように・・・・
家じゃできないなあ。
これが、天ぷらですよ・・・・

夫がおいしい、おいしいといって食べるのが
まあ、なんとも店に似合わず貧乏くさいというか、素人臭いというか・・・
それでも、不愛想な板前さんに揚げてもらって光り輝く素材の一つ一つは、
見た目にも美しく、食べるものを笑顔にしてくれる
そんな逸品でした。

感動的なアナゴとかき揚げを最後にたべて、1時間強で赤だしまでいただいて
店を出ました。
新宿というのは残酷な街で
たらふく食べた私たちの前に、まってましたとばかりに路上生活者がいるのですが
「今日はたまのぜいたく、許してね・・・」と、心の中で
誰にともなく詫びてみますした。
この食事で、幸せになった人がいるのだから、まあ、いいでしょう、と。

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2016-02-15 22:10

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