あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
このブログも、初めてから随分と年月が経ちますが、
今年もできるだけ正直な気持ちで、
みたこと、きいたこと、考えたことを発信してゆきたいと思います。
すっかりFacebook主流の世の中ですが、
スピードよりもじっくり書ける、読めるのが、このブログだと思います。
大事な発信ツールとして続けて行くつもりです。
さて、年始は執筆に追われながらも、
恒例の映画鑑賞へ。
ここ数年は、夫と何を見るか検討していますが、
年末はDVD、年始は劇場での映画鑑賞となりました。
2015年最後の映画鑑賞は伊丹監督の「静かな生活」
そして、
2016年最初の映画鑑賞はアイスランドの老兄弟を描いた「ひつじ村の兄弟」です。
ドキュメンタリー映画になりがちなのですが、珍しく両方劇映画でした。
「ひつじ村の兄弟」について、ネタばらしにならない程度に少し書きます。
アイスランドのだだっ広い平原で、牧羊している老兄弟は
40年間、口をきいていないほど仲が悪い兄弟です。
この村を、羊の伝染病が襲います。
これは、宮崎県の口蹄疫を思わせる光景で
羊は全て殺処分を命じられ、同業者たちは泣く泣く役所に処分を任せ、
牧羊を諦めるものもいます。
しかし、どうしても殺処分に従えなかったのが、この兄弟でした。
殺処分という苦しい現実と同じくらい印象的だったのが、
老人の孤独な生活です。
結婚していない二人は、隣に住んでいながら関わらない。
周りにもコミュニティはありません。
老人たちは、このような環境の中で生きる術を、自分で形成していったかのような
まるで環境がかれらの性格を作り上げたような、そんな印象があります。
ラストは、観る人によって、希望にも絶望にも見えるでしょうが、
必死な姿には、こちらもハラハラさせられ、淡々とした中にも
鼓動が早まる映画でした。
映画も演劇も、大抵は作り話ですが、
現実では決して注目されないであろう人生を、
たまたまこの作品と出会うすべての観客が目撃し
そこに心が動かされたりして、さらに感じたことを共有する、
というのは、当たり前のことですが、
やはりドラマのすごさですね。
5月に、かんじゅく座公演で小さな町のお話を上演します。
だれの目にも止まらないような小さな町で、
一生懸命生きる人を、しっかりと描きたいと思いました。
みたことがないのに、懐かしい街。
あったことがないのに、初対面ではないような人。
そんな街や人を描きたいです。
座員も、私も、固定概念を取っ払って、
勇気ある挑戦を続ける、そんな稽古場を作ってゆきたいと思います。
Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2016-01-02 23:11
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