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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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構成台本を創って

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劇場のバリアフリーサービスを考えてから早くも10年以上がたちます。
にっちもさっちもいかない手探り作業を続けていたのが、
最近、Ta-netさんと関わるようになって
少しずつ、広がりができてきました。
ここまで、実験的にやってきたこと、私流にやってきたこと
試行錯誤してきたことが、無駄ではなかったかなと思える瞬間が、
少なからず出てきたことは、うれしいことです。
この夏は3つの公演で、バリアフリーサービス(観劇支援)に
携わることになっています。
需要の増加も、実感できる今日この頃です。

ずっと続けている視覚障碍者向け音声ガイドに対し、
昨年から取り組んでいるのが、聴覚障碍者向けの構成台本つくり。
この夏1本目の観劇支援は、この構成台本つくりから始まりました。

これは、耳の不自由な方が、芝居を観ながら確認するためのもので
台本そのものでは、読むのに多すぎるからというので、
要点、とくに、耳からの情報をわかりやすく解説して盛り込んだ
簡易台本、とでもいったらいいでしょうか。
私は名付けて「観劇オタスケ本」と言っています。

台本を単に要約したものではなく、
台本から稽古を経て創られた、舞台上の作品を伝えたいので
俳優がどんな声色でセリフを言っているか、
音楽がどんなイメージで入ってくるのか、
そのタイミングや、作品の方向性、演出的意図も考えつつ
少しでも、世界観を共有できたらうれしいなと思って創っています。
そのためには、やっぱり大事にしたいのは
創作現場である稽古場です。
創作の意図が見えるだけでなく、
わたし自身が、その作品に愛着を感じたい・・・・
それを感じられることで、私の中にも「伝えたい」欲が
膨らんでくるのです。

というわけで、今回のオタスケ本は、これ!
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拡大したものを、ロビーに貼っていただきました。
(これ、観劇前に読んでしまうとネタバレになってしまうので
しっかり「ネタバレ注意」の貼り紙もしてあります)

この「貼りだし」案は、主宰の方から提案していただいたのですが
私にとっては画期的なことでした。
実は、音声ガイドも、構成台本も、
数名の目にしか触れないまま、終わってしまうのが通常なのですが
今回、こうやって貼っていただいたことで
存在そのものを知っていただける機会をいただけました。
制作の方がTa-net理事長さんだったこともあり
このような場をいただけたことに、感謝感謝です。

実は、この構成台本は、
聴覚障碍者のためだけのものではないと思っています。
作品理解が難しい方、もう一度確認したい方、などにも
役に立てばいいなと・・・・。
加齢による難聴の方にも、役立てていただきたいものです。

今回は、パワーポイントを使って創ってみましたが
このご時世、やはりパソコンソフトをつかった作業は免れません。
そういう苦手な部分には苦労しますが
たとえば、芝居の「ここが大事なんじゃないかな?」とか
「この役は(役者は)、こうしたいと思っているんだな」みたいなことは
やっぱり、自分が板の上にのってきた体験があって、
それが多少は役立っているかなと思います。

しかし、しかしですよ・・・・・
こうして、素敵な作品に関わらせていただき
一人のスタッフとしていい機会をいただけたこと、
沢山の出会いをいただけたことに感謝しながらも、
本番を客席から拝見すると・・・・

「ああ、あっちに行きたい…」

つまり、私も舞台に立ちたい、という気持ちに
押しつぶされそうになります。

舞台に立てること、その時間が
20代のころよりぐっと減ってしまった今、
本当に、貴重な、大切な時間になっています。
裏方の仕事をすることで、ますますそう、感じられる・・・
だからやっぱり、
私は裏も表も、両方を、ゆっくりやっていくのが
合っているのかな、とか
そんな風に感じています。

熱さ本番。
この夏はあと2本、観劇支援の仕事をします。
それが終わったら、今度は舞台に立ちますよ。
地道にコツコツ、行きたいと思います!

さて・・・・ポランと春のこと。
先住猫の、「シャー!フー!」攻撃も
1週間で沈下してきましたので
今日から完全にケージを出た、ポランと春です。
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家じゅうの探検が楽しくて、
狭いところへ狭いところへと、入っていくのです。
しばらく、退屈しないでしょう・・・・。
元気満点!

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2015-07-11 15:03

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