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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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ああ、前髪

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大事な用事があったので、いつもの予約よりも早めに美容院に行って、
髪を整えようと思いました。
私の剛毛を扱えるのは、荻窪のYさんだけ。
しかし、お正月休みが明けないのか、予約の電話ができません。
それで、しかたなく、
Yさんが前に働いていた高田馬場の美容院に行くことにしました。
Yさんでないなら、どこでも変わりないのですが
まだたまっているポイントが使い切れていないので・・・
という、節約精神で、そこへ。

電話をすると、必ず聞かれる「ご指名ありますか?」
本当は「上手な人」と答えたいのですが、
感じ悪くなってしまうので、
「髪の質が悪く、扱いにくいので、
新人の方じゃないほうがいいと思います。」くらいにとどめました。

さて・・・・

美容院に行くと、前、同じような事情で
私の髪を切ってくださった超長身君が担当に。
あまりに背が高いので、話すときにしゃがんでいます。
それでも高い・・・・・!
そしてこれまた長すぎる指で、
私の髪をはさんでは「フムフム・・・」と、何か考えています。
私はいつもの通りに注文しましたが
慣れていない方なので、
前髪について細かく説明しました。

私の前髪は、オデコが狭いがゆえに、
短くしすぎると、ひさしのように持ち上がってしまうのです。
しかし、長くしすぎると、クルンと天然の癖が出てしまい、
目に直撃。
なので、長さが微妙なのですよ。
それ説明すると、長身君は少々緊張気味に
「わかりました。」とおっしゃいました。
「乾かしてから切るので大丈夫です。」と、自信ありげ。

果たして、全体のカットが終わり、
シャンプーしてもらって、(私の場合はシャンプーがあと)
いざ、前髪!!!

私は前髪なので、目をつぶっていたのですが、パッと目を開けると、

んまぁ!

これは?!

昭和30年代から抜け出した小学生のような
ぱっつんまっすぐ、しかも、約束した眉毛ラインより
少し上になっているので
持ち上がっている。
これ、ひさしだよ!

長身君の一言が悪かった。

「すいません。」

え?それ、失敗したってこと?
失敗の自覚あり?

しかし、切ってしまったものは戻りません。
ここで怒ったら、私の気分が悪くなる。
怒っちゃいかん・・・・とこらえて、
「なんだか、ショウワ風ですね。」なんて言ってみる。
そしたらまた「すいません。」
もうっ!!!

この美容院は早稲田大学の近くにあるので、
ギャルがたくさん訪れるところなのだが
そんな美容院で、なぜ、この切り方なのだろう、
と思った。
その答えが、テレビを見ていてわかりました。

優木まおみだ!!

あの長身君は、いま、女の子たちに人気の
あのまおみちゃんの髪型にしようとしたのですね。
ところが、顔が違いすぎるものだから
昭和のハナマルキになってしまったのです。
長身君も、「こんなはずでは・・・」と思ったのでしょう。
思わず口をついて出た言葉が「すいません。」

私はこの数日、前髪を引っ張っています。
早く伸びてほしいなぁ~~~
ひさし、から脱出したいわ!
でも、とりあえず、あの長身君が悪気なく、
流行を目指してくれたことだけわかって、
気持ちは楽になりました。
ああ、前髪。

~本日のびっくり~
久しぶりにG街の「こどじ」に行く。
ここは写真家が集まるバーで
本棚にはたくさんの写真集がある。
かれこれ14年前・・・・
私がこのバーで知り合った有元さんという写真家が
出した写真集があり(チベットの写真で、これで彼は受賞した)
懐かしくそれをめくっていた。
そしたら、一番最後のページに1999年の海千山千の公演のチラシが挟まっていた。
ここで、話をしながら、有元さんはこのページにチラシをはさんでおいたのだろうと思う。
本は、私たちの小さな歴史を挟み、含みながら
時を刻んでゆく。

Trackback(0) Comments(4) by 鯨エマ|2013-01-06 09:09

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