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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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宮城県の劇団「鶴亀」訪問

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ずっと気になっていた、宮城県の福祉劇団鶴亀を
やっと訪問することができた。
夜行バスでの往路、車中、明け方にまた余震があり
私は寝ぼけ眼だったのだが
朝、仙台駅についてみると、案の定JRはかなりダイヤが乱れていた。

結局、目的地、柴田町との間辺りまで迎えに来ていただき、
最初から迷惑をかけてしまったのだが
稽古場に行く前に少し時間があったので
津波被害の現場を見せていただきに、
海岸線まで車を廻していただいた。

テレビでも、すでにいろいろな映像を見ているが、
目の前に
なぎ倒された大きな松ノ木や
ぺしゃんこになった鉄柱、
瓦礫の山や、がっぽりと穴の開いた家をみると、
ここで、生活していた人の、テレビでは感じられなかった
重い気持ちが押し寄せるようだった。

劇団の方が、いろいろな話をしてくださった。

津波があんなに黒いとはしらなかった、
水をもらうために8時間並んだ、
物資の取り合い、
泥棒が来て、家財を持っていってしまう、
打ち上げられた遺体の指輪を持っていくために、
泥棒は指まで切断する・・・・

そんな話に、返す言葉もない。
のどかなはずの田んぼと工場の広がる土地に
自然災害だけではなく、
それを追い討ちするようにねらってくる人間がいる。

稽古場についた、
ここは津波の被害はなかったが、こういう屋根はいたるところに見える。
image
いま、カワラ不足が深刻だという。
かわりにトタン屋根にするも、暑いだろう。

稽古場に入ると、一変、温かくにぎやかな顔ぶれが私を迎えてくださった。
監督の加茂さんの、キビキビした指導に、
みんな、マイペースでついてゆく。
「全然いうことをききません」という彼女の言葉に思わず笑ったが、
そこには温かいものが流れていた。

お昼に、私は自分の昼食を持っていくのを忘れていた。
「コンビニ、ありませんから。」
と、私のためのオニギリを用意してくださっていて、
手作りのなすび、トマト、カボチャの煮物に
ここの土地の顔を見た気がした。

午後、立ち稽古が始まると・・・・

代役をしながら、ああでもない、こうでもないと、
セリフもたどたどしく進む。
監督は忙しくて出かけてしまったのだ。

大会に備えて、いつものレパートリーを短くしているという。
ところが、当日はアドリブ満載で何時間かかるか分からないと、
恐ろしい冗談も飛ばす。

急遽出演することになった男優のために、
衣裳合わせが始まった。
みんなで協力。

最高齢のトメさん(左)と、女中役のレイ子さん。

このトメさんが、大会最高齢だということが分かった。
88歳。

みんなで集合写真、ぱしゃ!

中央の殿様・・・
このかたの人徳で、劇団がもっている、と
ある座員は言っていた。
私には、このかただけでなく、団長さん、
監督さん、そしてすべての劇団員の人徳のような気がした。

帰りに、また駅まで送っていただいのだが、
そのみちすがら、殿のご自宅訪問。
image
メイクをしていないときは恥ずかしいそうで、後ろ向きです。
ちなみに左側が奥方役。

みんな!まってますからね!!!

送っていただいたにもかかわらず、私は高速バスに乗り遅れ
あやうく、仙台で野宿する所だったが
幸い次の便に乗ることができた。
超特急の宮城訪問だが
ここの人間の温かさに触れて、
あらためて、なぜ、ここに震災が起きたのか、
そして、それにまつわる2次被害、3次被害に
どうして彼らが苦しまなければならないのか
神様にしか分からない、この運命に
やりきれない思いだった。

でも、町中ににはためく「がんばろう、東北」の文字に
鼓舞されながら、私は東京についた。
この話を稽古場でかんじゅく座のみんなにしよう。
そして、みんなで万全の体勢で
鶴亀の皆さんを迎えよう。

~本日のありがとう~
美味しいオニギリ、
心のこもったお絞りや冷たいお茶、
本当にありがとうございました。
まってます!

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2011-07-27 19:07

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