大嫌いな街だった。
とにかく汚い。
軽薄、希薄、薄情・・・どこまでもうすっぺらいイメージの新宿だった。
「すめば都、そのうち慣れるよ。」と
すきな人が言ってくれたのも
空々しく聞こえた・・・が、
これが、この街の味なのだと、
解釈するようになって10数年。
ところが、最近新宿にそんなイメージがなくなったのは、
私がかわったのではなく
やはり確実に、街自体が変わっているかららしい。
先日、歌舞伎町のど真ん中にある美容院に入った。
ここはチェーン店で
高田馬場の支店を使うことがおおいのだが
たまたま担当の人が夏休みということで
以前、切ってもらったことのある美容師さんがいる、
歌舞伎町店に行ったのだ。
若い美容師、S氏は、な~んと店長になっていた。
それだけ、月日が流れたということか・・・
まあ、あらゆる業界のなかでも、平均年齢が
ひときわ若いのが、この美容師界。
店長も30歳前後であたりまえか・・・。
しかし、S氏は、以前なかったひげを生やしていた。
「あれ、ひょっとしてそれは?」
「ええ、土地柄・・・」
つまり、治安対策。
歳よりも、さらに若く見られてしまうS氏は
なにかトラブルがあったときも
矢面に立つ。
あまり子供っぽい出で立ちでは・・・というわけらしい。
そういえば、この新宿歌舞伎町店に、以前きたときは
朝早かったのだが、仕事帰りのお兄ちゃんたちが、
酔った勢いで押しかけていたっけ。
たまにはお巡りさんのお世話にもなるのだろう。
「ええ、それはもちろん、
でも、随分減りましたよ。」
防犯カメラのせいか、客引き禁止のせいか、
最近は随分治安がよくなったという。
これを、「新宿らしくない」という人もいるのだが
誰かが命を落とすよりはいいだろう。
銃声も不思議ではない街なのだから・・・
しかし、美容院の中は、無法地帯だ。
いまや、髪を切ってもらっているときにも
携帯でしゃべっている何ていうのは
当たり前なのだが、
この日は、切ってもらっている女の子の友達が、
となりの空いている椅子に座って、
歯を磨いていたよ!!!
美容院で歯を磨く・・・・ヨダレが垂れるんじゃないかと
マジマジ見つめてしまっただよ。
最近、大きなヤマダ電機ができたものだから
ますます、いろいろな人が新宿を訪れるようになった。
オシャレなシネコンも、その効果をあげているかもしれない。
築30~40年のビルがどんどん建て変わると
必ずといっていいほど、白が基調の建物になる。
どんなイメージにしたいかは、わかる。
S美容師さんも、お盆に帰省していた時の話になると
顔が緩んで、あどけない笑顔になった。
素顔で仕事ができる日が来るといいけど。
~本日のありがとう~
危機を助けてくれた駅員さん
ありがとうございました。
Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ|2010-08-23 23:11
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