「ゆたり」ゆとりと情緒に満ちた暮らしのエスプリ

走ったよ、メロス

太宰治様

こちらは、平成２２年３月も終わろうとしております。
朗読入門の題材として、「走れメロス」使わせていただきました。
私は２５年ぶりに再読、
たいへん新鮮な気持ちで取り組ませていただきました。
今日は、６回の講座の最終日で
９名の参加者でナレーション部分、役、擬音語をわりふって
稽古場の理事長さんの前で発表いたしましたよ。

聞いてくださったのは、２名でしたが、
読んでるほうも聞いているほうも飽きないように、
いろいろ工夫してみました。
きっかけをはずしてしまったり、同時に読んでしまったりと
ミスはポロポロとありましたが
いままで練習した中で一番緊張感があって
私は良かったと思います。

今日は、発表したものをビデオに録画して、あとで皆で見ました。
自分の声にショックを受けている人もいましたが
とりあえず、全員の声が、稽古場の一番後ろのマイクに
しっかりと入っていたので、安心しました。

太宰様、
嬉しいのはこのあとですよ。
ランチうちあげの席で
みなさん一人一人、感想を伺いました。
みなさん、いろいろなきっかけで
今回の朗読講座に来てくださっていたのですが
旦那様が亡くなって、引きこもりがちだったという女性が、
外に出るためにと、きてくださっていたのです。
とても楽しかったと、仰っていました。
その一言に、
ああ、やってよかったなあと、思いました。

ここだけでなく、いくつかの場で私は芝居などを指導していますが
正直、自分でやっていることがどうなのか、
ちゃんと、社会に向かっているのか
不安になることが多々あります。
それでもこうやって、１人の女性が、
生活の範囲を広げるきっかけになったのなら
こんなに嬉しいことはありません。

この方は、メロスが打ち倒す、山賊の一人を演じたのですよ。
それから、最後に友情を確かめ合うシーンは
２人の女性が好演してくれました。
川の流れる音を表現した方も、なかなかステキでした。
王様は威厳がありましたし、
４回しか参加できなかった方も、
しっかりとみんなと同じ世界に入っていらっしゃいました。

全部、女性がやったのですよ。
どうです！！

ひとつ、疑問があって、ここは、私が読む上で一番悩む所。
王様は、あんなにすぐ、心を変えられるものでしょうか。
人間は、いくつになっても変われる可能性を持っていますが
しかし、しかし、
そう変われるものではない。
つまらない意地、プライドが邪魔をして、変化を拒むのでは・・・
しかし、願望としては
やはり、変われると思いたい、ですね、はい。

１ヵ月半、お世話になりました。
ひとつの作品を何度も読むというのは
いいものですね。
ありがとうございました。

～本日のありがとう～
受講してくださったみなさま、
ステキな時間を
ありがとうございました。
またやりましょう！

Trackback(0) Comments(2) by 鯨エマ｜2010-03-25 22:10