打ち合わせで、山梨県は小淵沢へ。
久しぶりに「あずさ」に乗った。
前にあずさに乗ったのは、もう7~8年前になるだろうか。
いや、もっと前・・・?
年末年始の短期アルバイトで、特急の車内販売をしたときだ。
「お弁当に、お茶、コーヒー、アイスクリームは
いかがでっしょうかぁ・・・」
という、あれ。
「いかがでしょうか」ではなく、
「いかがでっしょうかぁ・・・」という人が多いのはなぜだろうと思っていたが
実際にやってみると、ついつい自分もその口調に陥りそうになり、
ゆれる社内に足を踏ん張らせながら
口元を引き締めたのを思い出す。
あのときも、終点は小淵沢だった。
小淵沢に着いたらすぐに帰路用の駅弁を受け取って
また新宿に引き返す。
だから、小渕沢駅の構内から出ることはなかった。
精神的に、非常にきつい仕事だったので
最初に心のよりどころにしていた
「バイトで遠くにいける」という楽しみも
あっという間になくなり、
「ああ、早くこんな仕事は辞めたい。」
短期バイトと割り切っていても
辛かった。
昔ながらのお局女子のイジメがひどかった。
売り上げについてプレッシャーもあった。
激熱コーヒーを、ゆれる社内で紙コップに注ぐというのがこわかった。
弁当が売れ残るのが罪悪感を倍増させた。
会計を行う、手元のリモコンの操作が難しかった。
制服がダサすぎた。
しかも、臭かった。
嫌な仕事は、なかなかなれない。
小淵沢からの帰路は、夜だったので、
お客もほとんどいなくて
がらんとした車内で、私もいすに座って途方にくれたものだ。
あのとき、芝居でこさえた200万近い赤字を
時給1000円のバイトで稼ぎ出し、10ヶ月で返したときだ。
小淵沢の駅で、
「ああ、あたしは何をやってんだろうなあ・・・」と思ったときの
目の前の風景が、この弁当や「元気甲斐」だった。
「げんきじゃないよ。」と・・・。
昨日の帰り、ホームで帰りの電車を待ちながら
この「元気甲斐」と再会した。
あのころと、私の仕事環境、生活環境は、がらりと変わった。
人間関係も随分変化した。
苦い思い出に、思わず苦笑。
ああ、今は昔。
15時から20時半までの小淵沢滞在は
予想外に、同窓生のお母様との出会いやら、
ネットでやり取りをしていた方との初対面で、
あっという間に時間がすぎた。
出会いも再会も、
今まで歩いてきた道の上に積み重なっていくものなのだろうか。
次にこの駅を降りたら
「元気甲斐」で、弁当を買おう。
~本日のありがとう~
心が明るくなるような話が出来た。
ここしばらく、私の心惑わせていたことを、
吹っ切れそうな気持ち。
ありがとうございます。
Trackback(0) Comments(3) by 鯨エマ|2010-02-28 10:10
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