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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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駅での騒動

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むかしっから、弱いものいじめを見過ごせない、
本当にそんな性分を持ち合わせており、
いじめられている人を見れば立ち向かう。
これ、「いい人」みたいに聞こえるかもしれないけれど、
この性格が災いして、ことを難しくしてしまったり
自分が被害をこうむったり、
でもって、助けてあげた人からは感謝もされず
あまりいいことはない。
時々思う。
正義と思ってすることは、独りよがり、自己満足なことがほとんどだと。
そうわかっちゃいるのに、いつまでも学習できない。

歌の稽古に行こうと都営新宿線に乗るべく
あの長い長いエスカレーターを降りた。
朝の9時半。
すでに人ごみは緩和され、エスカレーターの上から、
一番下を見下ろすことができた。

余談だが、2列のエスカレーターがあるというのに、
なぜか、片方に人が寄っている。
人の行くほうに流されるのは、人間の習性だろうか・・・

私も同様に流されて、一番端のエスカレーターに乗った。
すると、ず~~っと下、階段が終わったところで
なにやら若い兄ちゃんが、怒鳴っているじゃないの。
そのまえには、弱弱しく老人が立っている。
さながら、蛇ににらまれた蛙といったところ。

「だから、あやまれっつってんだろーがよー!!」
「すいません・・・」
「てめえ、自分が何やったかわかってんのかぁ!あ?」

おお、いまにも、ナイフを突き刺しそうな勢い。
蛇と蛙の横を、人々は無関心に通り過ぎてゆく。
私も流されて、通り過ぎた。
が、やはり、気になって引き返してしまった。
ここで、もちろん、私だって考えたさ。
下手なこと言って、刺されるかもしれない。
しかし、しかし、哀れな蛙・・・じゃなくて、ジイさまを
ほおっておけないじゃないの。

「ねえねえ、その言い方はないんじゃないの?」
「なんだてめえ!」

(お、きたね。)

鯨「年上に向かってその言い方はないんじゃないの?」
蛇「るっせえ、あっち行け!(蛙に)謝れ!」
蛙「すいませんって。」
蛇「ゴメンナサイだろ!」
蛙「ゴメンナサイ・・・」
鯨「ちゃんと、謝ってんじゃないの。もうやめなさいよ。」
蛇「(完全に私を無視)目が合ったからって、財布盗んだろってなあ、
 どういうことなんだよ!人を泥棒扱いしやがって!
 え?ジジイ!!」
鯨「え!そんなこと言ったの?!」

意外な展開だ。

鯨「おじさん、言ったの?」
蛙「う・・・うん。」
鯨「そりゃあ、おじさんが悪いね。」

私も思わぬ発言。

鯨「(蛇に)ごめん、私が悪かった。それは、怒りたくなるよね。」
蛇「だろ?」

このときの蛇のすがるような目がなんともあどけなかった。

鯨「まるでヤクザが因縁つけてるみたいだからさ、
 おもわず、間に入っちゃったのよ。」
蛙「わしね、被害妄想だから・・・。病気なんだよ。」
蛇「だったら、病気だって、書いて首から提げとけよ!」
蛙「ああ・・・・」
鯨「いいよ、そこまでしなくって。」

蛇の勢いがちょっと緩んだので
私は早々に、この争いが終わると見て、退散した。
ちらっと、叔父さんの服装が目に入った。
襟や袖がすっかり、すり切れて、色褪せてしまったシャツの上から、
安物のコートを着ていた。
見てもいない、情景を思い浮かべる。
おじさんは、もしかしたら、すっごくお金に困っていて、
どうにかして、今日を生きるためにお金が必要で、
どうにかしてお金が欲しいと考えるうちに
あらぬ妄想をしてしまったんじゃないだろうか。

年末って寂しいなあ・・・・

おじさんの事を考えていたら、
間違えて、反対側の電車に乗ってしまった。
今日こそは、余裕を持って行こうと思っていたのに、また、滑り込み。
余計なことをして、自分にまでそのしわ寄せが。
でも、おじさん、世の中悪いことばかりじゃないよ、頑張ってね!

~本日のありがとう~
歌のO先生。
先生には夏から教わっていますが、
半年間有難うございました。
来年もまた、宜しくお願いいたします。

Trackback(0) Comments(0) by 鯨エマ|2008-12-27 15:03

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