本日3日目。
昨日の終演後に、
2日間の演目8本の中で、ある程度の目処を付けておこうと
同じく審査員の山梨県のN氏と、地元代表T氏と3人で
話し合いをしていた。
さて、3日目の4本を見て、大どんでん返しなるか?!
楽しみというよりも、私も17年前を思い出しながら
ドキドキの観劇だった。
果して、大どんでん返しは連続する波となって襲ってきた!!
3日目、それぞれに個性的な作品がドドンとならび、
正直、ここまで高校生がやるものかと
驚愕の舞台だった。
12本の演目を見終わって、さあ、東北地区大会に出場する
最優秀校2校を決めなければならない。
この2校に選ばれなければ、たとえ、優秀賞であっても
もう一度上演するチャンスはないだろう。
最優秀の1校は3人とも同意見で、難なく決まったが
問題はもうひとつの最優秀。
ああ、残酷な決断。
しかし、引っ張るわけにも行かない。
結局、ここまでくると、各々の好みが左右することになる。
私たちは推薦理由を話し合い、お互いの思いを分かった上で
合意に達した。
講評に引き続いて審査発表になる。
講評では、私とN氏が半分ずつ受け持ち、
最後に全体評をT氏がうけもった。
私は話し出したらとまらないので、3分の約束が気がついたら7分。
隣で「私の時間も!」といわんばかりのN氏の視線がつきささる。
N氏はさすが、教職の方なので、時間内にしゃべるのはお手の物らしく
サクサクとすすめていらっしゃった。
ちなみに、N氏はこのあと、18時台の新幹線で
山梨まで帰らなければならないので、
何が何でも1校3分をキープしなければならなかったのだ。
申し訳ないことをしてしまった・・・・。
最優秀校のひとつは、置賜農業高校の「Let’s Dance 1946」。
敗戦の翌年、めまぐるしく変化する社会についてゆくことへの
ためらい、悩み、葛藤がよく描かれていた。
顧問の先生による、本当にしっかりとした台本で
役者全員が、ひとつのテーマに向かって
のびのびと演じている様子は、清々しかった。
作品に対する評価だけでなく、
これからも、戦争について考える作品を
上演し続けて欲しいという願望もあり
最優秀という結果に結びついた。
もうひとつは、「蟹工船2008」
見事としか言いようのない舞台。
現代の若者労働問題と、蟹工船が、よくここまで重なり合った。
あの、秋葉原連続殺傷事件といやおうなしにむすびつく
この芝居を観終わったとき
あらためて、芝居にとってとても重要なこと、「今、上演する意味」を
思い知らされた。
なによりも脚本を書いた顧問の先生の構成力には脱帽なのだが、
それを生徒たちが見事に体で表現し、楽しんでいた。
葛藤があり、対立があり、スリルがあって、しかし最後には
社会の底辺に生きるものの、耐えることない希望と底力が
しっかりと客席に伝わってきた。
勇気をもらえた作品だった。
写真は、表彰式。
手前に写っている後姿のオジサンは、
高校演劇ファンというありがたいお客様らしい。
生徒たちに、一生懸命拍手を送ってくださっていた。
こうして3日間のプログラムを終えた。
顧問の先生方のご苦労は大変なもので、
こういう裏の苦労を私は高校時代、全く知らなかった。
先生方は、審査に携わった私たち3名に
細やかな心遣いをしてくださり、
それは恐縮するほどだったが
それはなによりも、頑張っている生徒さんたちへの
あふれんばかりのエールでもあるのだろう。
私は生徒のチームワークだけでなく、先生方の御配慮に
本当に感動した。
最後にパチリ。
携帯で撮ったので、少々画質荒いけど・・・
~本日のありがとう~
山形の皆様、ステキな3日間の時間をありがとうございました。
いつか、みなさんと、舞台の上で再会できる日を楽しみにしています!
Trackback(1) Comments(0) by 鯨エマ|2008-11-25 02:02
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