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[鯨エマの海千山千] 記事数:1742

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高校演劇コンクールin神奈川②

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さて、2日目・・・
日曜日なので、最後のプログラムの時間がはやく、3校のみ。
3校とも、高校生が主役の芝居で
等身大の演技をどう見せてくれるのか、
とても楽しみだった。
題材は、1校目Aが既成の台本、2校目Bが顧問の先生が書いた台本、
3校目Cが、生徒の描いたオリジナル台本だ。

台本が既成のものか、オリジナル作品かということが
どうしても審査のときに気になる点だ。
もちろん、オリジナルは意気込みを感じる。
顧問の作も、先生も一緒に頑張っているんだな
という熱意が伝わってくる。
既成は既成で、台本選びも大変な作業だから
その学校の心意気を見るには充分な要素になる。

私のときはどうだったかというと・・・

高1のときは演出をやっていたS先輩の書いた台本だった。
あのS先輩は、まさに演劇部のホープという存在で
卒業後もしばらく、その美貌を生かしたお仕事をなされていたと聞く。
今はどうなさっているか分からないけど
彼女に、バターフライという不思議な役を頂き
初めて学校の講堂以外のところで
演じる機会を得ることができた。

高2のときは、鴻上尚史さんの「ハッシャバイ」を脚色してやった。
しかし、私たちの学年が中心に部活が進んでいたにもかかわらず、
配役されなかったため、コンクールの練習期間中は
悶々としながら下級生の稽古をつけていた。
ぬくぬくとしていた学生生活の中で、
多分アレが一番悔しかったことだと思う。

話をもどして・・・・
この日はその、A校の芝居に私は偉く感動した。
講評のときは、ほめまくってしまった。
ラストシーンでは私の脳裏に
主人公の頭の中と同じ景色が
ドバッと広がるのを感じた。
もちろん、工夫が必要なところもあったが、
ハッピーエンドではないのに
希望の光が見えるラストシーンは最高だった。

コンクール開会式の前に打ち合わせをしたとき
顧問の先生から「あまり辛辣なことばかりでなく
今後につながるような講評をお願いします。」
といわれていたのだが
私はできるかぎり、いいところを見つけ、
惜しみなくそれをたたえたいと思っていた。
中には、厳しい審査員もいるらしい。
でも先日ラ・マレアの出演し、外国人の演出を受けたときに
痛感したのだが
ほめられたほうが役者は上がってくる、と思っている。
また、次に稽古しようと思えるように、
また、次の芝居に取り組もうと思えるように、
そして、続けたいと思えるように。

そう心がける必要もないくらいに、
どの学校もステキな部分をたくさん持っていた。
「高校生も捨てたもんじゃないな。」

演劇を仕事にしたり、興行にするうちに
役者と各スタッフが、分業になってゆく。
でも、一番「理想的な形」は、
高校演劇のように、
だれもが企画意図を把握し、
だれもが台本選びに参加し、
だれもが裏の細かい準備を担い、
だれもが一緒に観客を迎えるという状態だ。
これが、なかなか難しいと思っているのだが
経験の浅い高校生がきちんとやっているのだから
できないわけはないのだ。
そういう「理想的な形」にできなくなるのは、
「一般的な概念」や「世間の目」「合理的なやりかた」を気にするからだ。

講評が終わって、夜勤に入るべく
急いで会場を後にし、東京へもどった。
来週のつづき、3日間がとても楽しみになった。
ああ、たのしかったなあ、バターフライを演じたとき!
「昔に戻りたい。」と思ったことはないけれど、
なんか、この瞬間だけは
もう一度、あの舞台に戻りたいと思った。

~本日のありがとう~
高校生たち、今日も感動をありがとう!!
それから、廊下で未知をあけてくれた女子高生、
ありがとうございました。

by 鯨エマ|2008-10-27 17:05

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