再開です。
稽古が始まったからであります。
そして、今回の芝居「いもづる」のネタは
「再会」です。
この作品を書くにあたり、私自身からネタを収集しようと思って
20年ぶりの父に連絡を取ったところ
案の定、彼は会うのが恐いのか、あるいは本当に忙しいのか、
約束をドタキャンしてきたが
以来、お手紙のやり取りが続き、
いまどきこんな交流があろうかというような、
文芸作品ふうなコミュニケーションをとっている。
父の手紙はなんとA3サイズ。
絵や写真がべたべた張ってあり
文字は20フォントくらい。
とても汚い字で解読は難しい。
そして、そこに書かれたことは、私が子どもだったころには思いも寄らなかったことと、当時のわが家の苦難だった。
当時のことを語ってほしいと頼んだわたしに、果たして父の姿勢はかなり前向き、律儀に投函し続けてくれている。
記憶は恐ろしい。
たとえば、亡くなった人についての記憶はどんどん美化されてゆくのが普通だが、離婚した夫婦にとって、(うちの場合は)恨みが残っている様子。
「宵越しの感情は持たない」を、座右の銘にしている私の両親がこんな具合。
人間的というか、何処までも小さいというか・・・。
しかし、恨みつらみ含めて、父が語ろうとしたのは、やはり自身の老い先を思うかららしい。
実際に、この父との手紙のやり取りから何かネタを拾ったかといえば、そんなことはない。
ただ、いつか何とかしなければと思っていた親子のわだかまりに挑戦したというだけで、なんらかの、流れは変わってくるように思う。
今回の稽古では、出演者に喫煙者が多いので、気をつけて休憩時間を確保するようにしている。
私は自分では吸わないくせに、なぜか、喫煙者に優しいのだ。
» Tags:父,
by 鯨エマ|2007-10-25 12:12
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