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干し芋(丸干し乾燥芋)

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お芋の好きな人は栗も好き、そしてカボチャも、というパターンが多い。いわゆる「イモクリナンキン」である。我が家の次女◯えも、まさにそのタイプ。特に干し芋に目が無い。
正しくは甘藷蒸切干(かんしょむしきりぼし)というらしいが、何それ?である。全国的には干し芋という呼び名が通りが良いが、ここ本場茨城では乾燥芋、声に出したら「カンソイモ」だ。


茨城は日本におけるさつま芋栽培の北限地。干し芋に至っては全国総生産量の9割近くを担っているらしい。なかでもひたちなか市が本場である。保存も利くし、さつま芋の採れない北海道や東北地方へ贈ると、ことのほか好評だ。
縦方向に平たく切った平切りという形が一般的だが、最近では角切りや細切りタイプを作っているところもあり、より手軽に食べられる工夫が凝らされている。

今回ワタシが取り上げたいのは、丸干し乾燥芋。読んで字の如し、小ぶりな芋をスライスせずに丸々そのまま干したものである。平切りとの決定的な違いは、その柔らかさ。軽くオーブンで温めると、もっちりとした噛み応え。干す時間が余計にかかる分、甘さもより熟成されている。北海道の知人からは「こんなの初めて!」と喜ばれ、翌年は催促が来た。実はワタシさつま芋があまり得意ではないのだが、この丸干しだけは手が出てしまうくらい、別格なのだ。

真冬の最も寒い時期に、夜明け前から手間暇かけて作られる干し芋。気温が低くないとカビや腐りが出てしまう。ところがこの冬はなかなか寒くならず、出足が遅れ、例年にも増して丸干しが手に入りにくくなっている。いつも実家で頼んでいるところへ電話したら、もう予約でいっぱいとか。では直接行って、道路端で天日に干してるのを分けてもらおうとしたら、やはり出始めの物は行き先が決まってるとのこと。3件目にしてやっと3キロ手に入れた。いつもの品より小ぶりだし、ワタシの好みより少し乾燥が過ぎているが、ここまで来て贅沢は言っていられない。それにしても、作り手によって出来映えがずいぶん違うんだな。
乾燥機を使って1日か2日で干し上げてしまう方法もあるが、お天道様と張り合おうなんて言語道断、味の差は歴然としている。歯ごたえのしっかりしたのが好きなら平切りがお薦めだが、いずれにしても選ぶ時は是非とも天日干しか否か、
ご確認を。

» Tags:ひたちなか市, 干し芋, 乾燥芋, カンソイモ,

by Yamepi|2008-01-22 19:07

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