「わたくしサイトウと申しますが、おかあさんでよろしかったですか?」
また来た。
家庭教師の営業の電話。
いかにも大学生ぽい若い声で、夕方の忙しい時間にしょっちゅうかかってくる。
セールストークは決まっているらしく、第一声は必ずこのフレーズ。
「ワタクシ◯◯と申しますが、おかあさんでよろしかったですか?」
まずここで大きな違和感。
たいせつな娘がある日連れて来たどこの馬の骨ともわからない貧相な男に「おとうさんはゴルフはやるんですか?」とか言われて「お前におとうさんと呼ばれる筋合いはない」と憤慨するお決まりの場面には、「だって便宜上そう呼ぶしかないじゃん、相手だってまだ結婚したいなんて思ってないよ」と思うのだけれど、、、
この電話にはついついワタシも
「ワタシあなたのおかあさんじゃないですよ」と答えたい衝動にかられる。
でもそれじゃあまりに意地悪なので、
「誰のお母さんですか?」と聞いてみる。
「あ、中学生のお子さんのお母さんでよろしかったですか?」とサイトウさん。
「よろしかったですか?」がまだ気に入らないけど、あらためてそう言われれば
「はい」と言うしかない。すると、
「勉強のことについてお力になれるかと思ってお電話差し上げたのですが、何かお困りのことはないですか」的な話しになっていく。
ここでやっと【対セールス戦闘アイテム】を繰り出してみる。
『興味がないのでけっこうです』
この「興味がないのでけっこうです」は魔法の言葉。汎用性も高く、話しを打ち切りにする確率はなかなかのもの。
でもサイトウさんは偉くて、すごすごと引き下がることなく
「ただいま無料体験とかもしてますが、そちらの方も興味なかったですか?」と、もう一押ししてきた。
「うん、ごめんね」とワタシ。
「はいわかりました、失礼いたしました。」と礼儀正しいサイトウさん。
セールストークは決められているらしく、どの子も目の前の紙を読み上げているようなたどたどしさ。なんだか電話をしてくる子たちが社会の食い物になっているような気さえして来る。
だいぶ前に1度だけ電話の相手があまりに必死で
「今日はこの電話何回目?ああそう、それでお客さん見つかった?……そっかあ。毎日何十回もかけて嫌な思いすることも多いでしょう?…うんうん…でしょう?これはなかなか難しいと思うな〜、気持ちが腐る前に早く別なの見つけた方がいいわよ、じゃあね!」
なーんて、親戚のおばちゃんみたいな展開になったことも。
でもね、おばちゃんもそうそう暇じゃないのよ。そろそろほっけも焼けるし、いちいち諭してらんないの。
サイトウさーーーーーん、そのバイトは不毛だぞーーーーー!
早く別なの探しなさーーーーーい!
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Trackback(0) Comments(10) by Yamepi|2011-12-02 19:07
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