水戸子供演劇アカデミーは子どもが演劇を学ぶ場所。芸術館の行う市民参加型事業で、水戸市が主催しています。毎年10月に開講し、演技や歌、ダンスのレッスンを積んで翌年3月に卒業公演を迎えます。今年は3月26・27日の2日間で3回公演を行うはずでした。
3月に入り稽古の時間もぐんと増え、頭と心と体のすべてが公演に向けられていた矢先の震災。子劇の仲間たちの間に半年かけて育ってきた舞台への思いや絆がぷつりと絶たれ、長く虚しい自宅待機に突入したのでした。
でも、諦めない子どもたちがいた。その気持ちに応えてくれるおとなたちがいた。とにかくまた集まって練習を再開しよう。そうして4月半ばから、再び子劇の活動がスタートしたのでした。
当初、被災した水戸芸術館には入れませんでした。他の施設を借りたり、歴史館の庭で集まったり。そのうち芸術館の広場が使えるようになり、つい最近になってリハーサルスタジオが使えるようになりました。
そしていよいよ今度の日曜日に、一度はあきらめた卒業公演と卒業式を実施できることになったのです。
残念ながら劇場はまだ使える状況にありません。水戸芸術館タワー下の広場での野外劇となります。
本来でしたら講演直前は春休み期間にもかかりますので、時間をかけて仕上げるところですが、今回はそうもいきません。劇自体もボリュームを落とした特別バージョンになります。風が吹いたら声も飛ばされてしまうでしょう。
すべてが周到に準備されて臨む例年の卒業公演とはだいぶ状況が変わりますが、でも、突然の大きな障害に道を塞がれても、あきらめずによじ登って乗り越えてきた子たちがひとつになって、一生懸命に演じます。
子劇では最低学年の4年生だった子は5年生に、小学生6年生は中学生に、部活三昧の中2生は受験生にと、この春それぞれひとつずつ進級しました。でも子劇だけは平成22年度のままで時が止まっています。
「みんなで満開の桜になろう!」と誓った子劇の舞台。これでやっとひとつの区切りをつけられます。再び時が動きだし、前にすすむことができると思います。
上演作品は『あのころ、森で戦争があった。』
舞台の上には蔦のからまる漆黒の板があるだけですが、その前に役者が立てば、そこはもう動物たちが暮らす森になります。
6月19日(日)10:00開演です。ぜひ観にいらしてください。
詳しくはこちら☆水戸芸術館ACM劇場だより☆をご覧ください。
今は何よりも当日のお天気と周囲の騒音が心配
マイクによる集音などはしませんので、広い野外で自分たちの声だけで演じます
劇場での観劇と同様にどうぞ静かにご覧いただければ幸いです
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» Tags:水戸子供演劇アカデミー, 「あのころ, 森で戦争があった。」, 水戸芸術館,
Trackback(0) Comments(6) by Yamepi|2011-06-13 11:11
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