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My Holly Story モコの想い出(後編) 

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前編をお読みでない方は、まずこちらをどうぞ「モコの想い出(前編)」
文が長めで恐縮ですが、ゆたりとお付き合いいただければ幸いです。

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それから15年ほどたった冬のある日。
当時広告制作会社に勤務していたワタシは、出来上がったばかりのとある企業の情報誌を、1件のレストランに届けに行きました。
冬のドライブコースの提案ページを担当し、星の話しに絡めた企画を立て、満天の星が臨めるスポットやプラネタリウム、そしてロシアに伝わる北斗七星の物語にちなんで、ディナーにはロシア料理店を組み込んだのです。
その料理店はこれまでメディアの取材を一切拒否していたお店でした。無理を言って口説き落とし、何とか1回限り料理と店内の写真撮影に協力いただけることになったのです。完成品をお届けしがてら、あらためて御礼をのべるつもりでした。

午後の3時か4時頃、クローズ中の店内でオーナー夫人に出来上がりを確認していただいていると、何やら厨房の方からガタガタと、物がぶつかるような騒々しい音がしてきました。次の瞬間、蝶番で開閉するドアが開いて、店の中に大きな犬が飛び込んできたのです。そして一目散にワタシめがけて飛びかかってきました。

「あらやだ、どうしたのっ?こらっ、離れなさい!」
オーナー夫人が慌ててワタシから引き離そうとしました。でもシッポをふりふり一生懸命伸び上がって抱きついてくるその犬は大喜びの様子で、だからワタシもちっとも怖いとは思いませんでした。

「大丈夫ですよ、犬好きですから。すごく歓迎してくれてるみたい」とワタシ。
「ごめんなさいね、不思議だわ、こんなこと初めてよ。今まで一度もお店の中に入って来たことなんてないのよ。どうしちゃったのかしら…」

オーナー夫人は心底驚いた様子で謝罪を繰り返してくれていますが、もうあまりワタシの耳には入ってきません。
この犬、、、どこかで見た覚えがある。

ワタシの手をなめ回そうとする犬の首をなでながらよく見ると、一回り大きめな気もするけれど、でも体型も、毛の模様も、モコにそっくりなのです。
何年間も思い出すことのなかったモコのことを、久しぶりに思い出しました。懐かしく思いながら両手で顔をはさんでよくよく見ると、顔までモコにそっくりです。「嬉しくて嬉しくてどうしたらいいの!」という表情で、お尻をぷりぷり振りながらワタシを見ています。何だか不思議な気分になってきました。

「わんちゃん、男の子ですか?」
「いいえ、女の子なの。普段はとっても人見知りで、こんなことないのよ、ほんとにもう、どうしちゃたの〜?」
「お名前は、なんていうんですか?」
「この子ね、モ、コ、って言うんです」
「・・・・・・・」
                  *
                  *
                  *

そんなことがあってから、また幾度もの冬が過ぎて行きました。

この出来事のあった仕事の時、ワタシは別な取材先で、1つのオブジェを買いました。撮影用の小物に使おうと思ったのです。
そのオブジェは壁掛け型で、顔の描かれた太陽のまわりを、12星座のシンボルが取り囲んでいるものです。それは今とある会社のロビーに掛けられていて、ごくたまにですが、ワタシはそこを訪れることがあります。
そのオブジェを目にしたとき、それから、冬の夜空に北斗七星を探すとき、この時のロシア料理店での不思議な経験を思い出すのです。

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昔々我が家と縁のあった一匹の犬、モコ。
モコとワタシが人と犬の境を超えた「相呼ぶ魂」であるのなら
いつの日かまた、再び会える時があるかもしれない、そう思うことがあります。
特に、目に見えないことこそ真実、と思えるようなこの季節には。

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Trackback(0) Comments(7) by Yamepi|2008-12-08 14:02

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