姉からもらったクッキー。
茶色い紙の上から輪ゴムでパッチン、今どきこんな?な包み方ですが、本当の包装紙はこの下です。たぶん、包装紙もきれいなままに差し上げたい、またはとっておきたいという方のために、もう一枚別な紙で覆っているのでは。
というのも、このクッキーかなりプレミアムなお品なのです。
村上開新堂は明治7年の創業以来、手作りにこだわった製造を続けており、作られる量が限られていて、販売はすべて予約制となっています。
その予約も一見の客にはできません。既存の顧客からの紹介が必要で、その後本人からお店へ連絡をして名前を登録、その上でやっと予約を取り付けることができるという流れ。予約を入れてからも長い時には半年も待つこともあるというのですから、なんとも恐れ多くも賢くも…。
ピンクの小さな缶の中には、全部で27種類ものクッキーがぎっしりと詰まっています。仕切りもないのに、上半分と下半分でも種類を違えて、大小さまざまなクッキーがきっちりと詰められている様子は、まるで寄木細工のような緻密さ。
手で割ると「パッキッ!」という硬くて乾いた音がします。バターはごく少なめで、きっちりと焼き締めた昔っぽいクッキー。甘さも香りも控えめで素朴な味わいですが、噛むほどにおいしくなってきます。
「ソフトな甘みと全体に気品の漂う洋菓子作り」という命題を掲げて作り続けてきたそうですが、ええ、確かに気品という言葉がぴったりかと。
子供の頃に出会っておきたかったなぁ、このクッキー。
きっとまっさら無地の缶のピンク色や、いつの時代からかわからないほど昔から添えられているという緑色のカードと共に、この味わいが記憶に刻まれそう。そして大人になって再び手にした時に、缶の色もカードも味も、何もかも昔のままのこのクッキーに、懐かしさと不変の魅力を感じたことと思います。
このクッキーは10年後も20年後もこのままであってほしい。
「変わらないこと」は退屈ですが
「変えないこと」にはつよい信念が必要で
とても能動的な行為だと思います
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Trackback(0) Comments(8) by Yamepi|2010-09-01 15:03
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