生クリーム大福

ほんのきもちです　　

BLOG by Yamepi

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珍しいこともあるものだ。雪でも降ったらごめんなさいよ、うちの◯パが昨夜冗
談を言ったのだ。のんびり父さんの◯パ、性格はおおらかだけどほがらかってわ
けではない。口数も少ないし、場を盛り上げるための軽口をたたいたりもしない。
たいがいは「ああ」とか「うう」とか「おお」とかの相槌を入れるくらいで、
自分から冗談など言ったりしない人。

ところが昨夜、◯えが「◯パなにどし？」と干支を聞いたら、「ふんどし〜」と
答えたのだ。言いながらタバコを吸いにベランダへ出て行った。
「ちょっと聞いた？今◯パ冗談言ったよね！」ワタシと◯と◯えの女３人は、な
ぜか声をひそめた。その頃ヤツは夜のベランダでにたにたしてたに違いない。

気分が良かったのだろう。ほとんど平日にしか休めない◯パだが、昨日の日曜は
めずらしく休みで、ワタシの従兄弟Ｋと男二人、那須まで風呂に入りに行ってき
たそうだ。
いつも運転手役なのに昨日は助手席でのんびりさせてもらい、滅多に入らない温
泉にもつかり、ゆたりとした気分が小学生でも言わないようなジョークを言わせ
てしまったのだろう。対応に困るが、許す。
気分の良さは土産を買って来たことでも分かる。「道の駅でキノコがあったら買
って来てね」というリクエストに応えたうえに、自らすすんで「ふるさわ」の生
クリーム大福もぶら下げて帰ってきたのだ。

常陸大宮市の「菓子処ふるさわ」はひところ流行ったいちご大福のように、生ク
リームを使ったいろんな種類の大福で有名なお店。ブルーベリー、カフェオレ、
いちごミルク、抹茶など、季節によっても品揃えが変わり多種多彩。そんな中か
ら◯パは、マンゴー、さくら、ゆず、の３種類を買って来てくれた。

ところがワタシ、この手のお菓子があまり好きではない。豆大福や草大福など正
統派の美味しい和菓子は好きだけど、餅に果物やクリームの組み合わせには全く
そそられない。雪見大福も好きじゃないこと、◯パも知ってるはずなのにな〜。
でも滅多にない自発的なお土産だもの、ここは一発喜ばないと。
「うわぁ、美味しそう〜！」声だけ派手めにして、うまそうにパクつく◯パのを
ちょっとずつ味見する。ゆずは白あんに豊かなゆずの香り、生クリームは入って
ない。さくらはやはり白あんペースで桜の葉の刻んだのと生クリームの組み合わ
せ。
それぞれ包んである餅にも香りがあって、色も実に春らしい。そして最後にちょ
っと疑いながら恐る恐る味見したマンゴーだが、驚いたことにコレが１番イケた。
マンゴーの南国チックな香りと生クリームによって、お餅の食感がタピオカ風に
思えてきて、意外にも渾然一体。台湾のデザートにあるかもしれない、くらいの
しっくり加減である。

それにしても３種類を４個づつって、ずいぶん的を絞った買い方である。ワタシ
だったらそれだけ買うならもっといろんな種類にするだろう。
ワタシだったらこうするのに、ワタシだったらこう言うのに、やることなすこと
考えること、ワタシと◯パは全然違う。ケチをつけたくなることも多い。でも、
似た者同士の夫婦ってのもたまに聞くけど、もし◯パとワタシが同じような人間
だったら、何でも気があって何でもすんなりいくんだろうか？
否！ワタシみたいな自己中と一緒に暮らすなんて考えただけで恐ろしい！！
◯パ、偉いな。