◯との友達のT田さんが学校の休み時間にきりだした。
「私さ、昨日から変な言葉が浮かんじゃって、ずっと頭の中グルグル回ってるん
だよね〜」
「変な言葉って、どんなの?」
「んとね、フェーケ フォーコフォーコ っての」
妙ちきりんな響きに、◯ととそこに居たもう一人の友達がウケて、3人でゲラゲ
ラが止まらない。10代の少女たちはよく、自分たちだけに通じる何かを共有する
ことで結束が強まる感を味わい、仲間意識を育てる。例えば絶対知られてはいけ
ない先生のあだ名とか、行きつけの店の名前を暗号化するとか、そういった他愛
のない秘密で盛り上がるものだ。
「フェーケ フォーコフォーコって、、いったい、あははは…」
「どっから出てきたの、、フェーケ フォーコフォーコ、うひひひ…」
何度も何度も口にしているうちに、訳のわからなかった言葉が何気に意味を帯び
てくる。その日のうちに フェーケ フォーコフォーコ には振りが付き、廊下
ですれ違う時に小声で囁くと同時に片足をくの字に曲げ、影絵のキツネにした両
手を交差させ、手首をカクンと倒す、実におバカな3人が出来上がった。
皆さんにはこういう言葉ありますか?何の意味も無く、何が語源になっているか
もわからない、でも意識せず浮かんでくる不可解な言葉。
ワタシは幼少のみぎりちょっときつい状況に立たされると、何も耳に入らないよ
うに「コピテコピテコピテコピテ…」と口の中で早口を唱え、現実から逃げてい
た。なぜコピテなのかは分からない。
◯とは2〜3歳の頃、よく「カジュレ〜カジュレ〜」と元気よく言っていた。何
となくガンバレと言いたい時に出ていたように思う。
◯えは一人遊びなどしてる時に、決まった節を付けて「ニロレバ〜ナロナロ〜」
と歌っていた。アタシ今ご機嫌よ、て感じ。
一見くだらない言葉遊びのようだが、その誕生の陰には何かしら要因があるはず
だ。耳についた言葉とか、感性に響く音とか、何かの経験が核になった、脳みそ
の神秘の産物だ。本当は深い意味や遠い星からのメッセージが隠されているのか
もしれないぞ。ま、今のところ何の発展もないけれど。
閑話休題。フェーケ フォーコフォーコ って響き、聞くほどにワタシの中にも
味わいが出てきた。T田さんなかなか良いセンスをお持ちで、将来右脳方面で楽
しみだ。この言葉からワタシがイメージするのは、そうね、都会的よりは牧歌的、
熱帯よりは白夜、水よりは風、という感じ。たとえば北欧雑貨のお店の名前あた
りに使ってみたら、しっくりはまるんじゃなかろうか。
と、ここまで読んで下さったあなた、フェーケ フォーコフォーコ はもうイン
プットされましたか? そうですか、では今日はもう フェーケ フォーコフォ
ーコ が一日中頭ん中グルグルしちゃうかもしれませんが、そんな時は思いきっ
て声に出して言ってみてくださいね、きっともっとグルグルするから〜 イシシ
シ
Trackback(0) Comments(5) by Yamepi|2008-05-08 09:09
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