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[ゆたりやの亭主] 記事数:256

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運動会の季節

     巷では、学校や幼稚園の運動会が行われている。
     子供のいない僕には、遠い日の思い出でしかないが、
     子供を持つ親御さんにとっては、
     とても忙しい季節なのだと思う。
     お弁当をつくるお母さん達、競技に参加するお父さん達・・・。
     何年か前に、知人の娘さんの運動会を観にいった事があるが、
     日がな一日、ビール片手にとても楽しい時間を過ごせた。

     僕の運動会の記憶は、小学校時代に遡る。
     親の苦労も裏腹に、35年前の小学生も現代の小学生も
     おませなガキが考えてることは変わらないのかもしれない。

     大好きだった女の子(Aさん)は、
     3年間想い続けた愛しのしと・・・。
     一途だった僕への慰めか、あるいは神様の悪戯か、
     小4の春に転校してきたAさんとは、
     卒業までの3年間を同じクラスで過ごす事になる。
     その間、授業中はもちろん、いろいろな学校の行事、
     お誕生会に招待されたり(男子は2名だけ♡)
     常にAさんは身近に存在していたわけだ・・・。




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     中でも一番の楽しみは、運動会の「フォークダンス」。
     当時、小学校の運動会の練習には、
     膨大な時間をつぎ込んでいたこともあり、
     Aさんと手を繋ぐことができる「フォークダンス」は
     おませなガキにとって至福の喜びであったし、
     学校嫌いの僕自身が一番輝けるひと時でもあった。

     今日は、3回順番が回って来たとか、
     今日の先生の進め方だと2回しか
     回ってこないじゃないか・・・とぼやいたりしていた。
     おませなガキは運動会の練習どころではなかったのだ。
     勿論、運動会当日も「フォークダンス」以外のことは
     あまり記憶していない。

     色白で頭が良くて、とても爽やかで活発だったAさんは
     そんな僕の想いなど知る由もなく、
     楽しかった3年間は過ぎ去り、卒業を迎えることとなる。

     確か、Aさんの発案だったと思うが、
     その年開催された「札幌冬季五輪」のテーマソング
     「虹と雪のバラード/トワ・エ・モア」を
     卒業の日、謝恩会の余興に
     クラス全員で合唱したのを憶えている。
     この歌が流れるといつも思い出すのは、
     あの日のあの時のこと・・・。

     実は、謝恩会が終わり、皆が涙でお別れをしている中
     Aさんの後を追いかけている自分がいたのだ。

     皆は、中学校へ行ってからもまた会えるけど、
     僕は、私立中学へ入学が決まっていたため
     ちゃんと気持ちを伝えないと二度と逢えなくなる・・・。

     そう思ったおませなガキは、
     正門前の横断歩道の向こうで帰ろうとしていた
     Aさんを呼び止めたのだった。

     ちゃんと伝えなくちゃ・・・。
     ドクドクと高鳴る胸を制御できないまま
     やっとの思いで出た一言
     「・・・僕と文通してくれませんか?」
     「・・・・。」

     Aさんは、一瞬考えたようだったが、
     「・・・できません。」という一言だけ聞こえた・・・。

     僕は、もの凄く恥ずかしくなって
     目眩と全身の震えを一生懸命抑えて
     そして、以外に冷静に

     「そうですよね・・・。それじゃお元気で!」と
     その場を、逃げるように走り去ることしかできなかったのだった。

     おませなガキは、
     小学校の卒業式だから、ケジメをつけなあかんと
     3年間の片想いの総決算をしたわけだ。
     あまりに短く、あまりに駄作で幼稚な
     三流ドラマの回想シーンさながらだったことだろう。

     取り返しのつかない失態であり
     超カッコ悪い僕であったが、
     今となっては、
     勇気を振り絞る時の瞬発力の訓練になったと思っている。

     その後、Aさんとは高校時代に一度だけ
     街で偶然出合ったことがある。
     一言二言交わしただけだったが、
     相変わらず爽やかで活発な印象は
     ひとつも変わっていなかった。

     運動会の季節になるといつも思い出す、
     幼年時代の愛しいしと・・・。
     僕の脳裏には、あの頃の姿のままで保存されている。
     照れくさく恥ずかしい、これからも消えることのない経験。



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» Tags:運動会, 幼年時代, 小学校,

Trackback(0) Comments(5) by Yasumine|2008-09-27 16:04

▽コメント▽
Commented by Yamepi 09/28 20:06

12才のおませなYasumineくんへ
偉かった!
君の勇気のおかげでン十年後のYasumineさんは
いつでも取り出して味わうことのできるドロップのような
甘酸っぱい想い出を持つことができましたよ。

人を好きになりはじめる頃に知る初めての感情って、刺激的でしたね〜。

Commented by Ysumine 09/28 20:37

Yamepiさま
こんな他愛もない話しに
コメントしていただき感謝です。
しかも、とても感性豊かな表現で・・・
ドロップ。そう。とろけそうな味わい。
この感情はいくつになっても忘れないで
ほしいものです。

Commented by blackbeauty 09/28 21:22

こんばんは
黒カスタムゴールドパーツです(笑)
愛情一本番外編同様、琴線に触れる素敵な話でした。
そんな事あったなぁ・・・

古き良き昭和の少年時代、浪漫がありましたよね!

Commented by COACHでし。 09/28 22:06

あ~~~~~~~なんか、いいですねぇ
あちきもいろいろ思い出してしまいます。

恥ずかしかったり、悔しかったり・・・

ずっと水戸を離れていたので、街を歩くたびに、
去来することは多くあります。

もしあの時、あの曲がり角を曲がっていたら・・・

もしあの時、追いかけることができたら・・・

ノスタルジアですねぇ・・・

Commented by Ysumine 09/29 10:46

◎blackbeautyさん。
やっぱし!
黒のカスタムゴールドパーツ。クールですね。
「昭和の少年のこころ」忘れないでください!

◎COACHでし。さん
そうでしょ!
男心って以外とそうでしょ!
時々ね、迷い込んでしまうのです。
少年時代に・・・


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