僕の父は16年前に亡くなりました。
最近、父が子どもの頃(小学校4年生頃)に祖父柾史に宛てた葉書が
浦和在住の伯母から届きました。
実に65年前の父の直筆の手紙です。
伯母さんは「ボクはここにいるよ」と言っているように思えて
胸が熱くなったと語っていました。
祖父柾史が根室の農場に疎開していた頃の手紙で
僕の知っている父の筆跡とはまったく違うものでしたが
筆跡は書き手の人柄や感情を映し出してくれます。
直筆の葉書からは65年前の父の姿を想像することができるのです。
この葉書がパソコンで印字されたものだとしたら、
父の子どもの頃の表情を実感することはできなかったでしょう。
電子メールが普及し、手紙は年々少なくなっています。
手書きの便りはもちろん、年賀状の宛名ですら印字されたものが多くなり
味気のない時代になってしまいました。
僕の会社は宛名ラベルをプリントしたことがありません。
(取引先が少ないもので・・・)
書類を送付する際の封筒はすべて手書きなんです。
そんな手書きの封書を毎回見ているお客様から
「これからも手書きの宛名をなくさないでくださいね」といった内容の
差出人不明の手紙が送られてきたことがありました。
とても嬉しかったので、現在も頑固に手書きを続けています。
つい先日も、手書きの葉書が届きました。
挨拶に来社した女性の方からの御礼の手紙でした。
直筆の手紙はその人の人柄を見せてくれるし、
何より心が伝わってきますね。
僕も最近、スタッフの皆から頂戴したバースデイプレゼントの
ガラスペンとインクで手書きを楽しんでいます。
65年かけて手元に届いた父の直筆葉書から、
パソコンのフォントでは絶対表現できない、
時間を超越した大きなエネルギーを改めて感じています。
Trackback(0) Comments(4) by Yasumine|2008-07-02 09:09
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