「孤島病」(小説)
北海道文学全集 第18巻 国境の海
寺島柾史 著
立風書房 発行
昭和56年6月10日(1981)復刻版
昭和15年(1940年)頃、白木陸郎の名で「孤島」執筆。
昭和17年(1942年)、日本公論社刊の「國境」に「孤島」掲載。
昭和26年4月1日(1951年)「文藝新風」4月号に「孤島病」掲載。
※写真は昭和56年6月10日復刻版/予約特別価格¥3,300・¥3,500(定価)
●購入先/立風書房(東京都) 代金¥3,300(送料込)
●菊版・上製本・化粧函入・本文459頁(5〜33頁が寺島柾史作)
所蔵確認/国立国会図書館/熊本県立図書館
「北海道文学全集 第18巻 国境の海」に掲載された「孤島病」は、昭和26年(1951)に文藝新風に掲載された小説の復刻である。また、戦前に『白木陸郎』の名で執筆していた小説「孤島」とストーリーは殆ど同じもので、戦後に改訂したものと思われる。大正初期、千島の開拓に向けて孤島に養孤場を設けた日本国は、毎年10月から翌年5月まで数名の越冬番人を配置した。極寒の地での越冬は狂人が出ることもあり、夫婦者を配置させることにしていた。登場人物の杉と麻生は独身だったが、野口は情婦のトワを誘い女房と称して番人の資格を得た。孤島では水腫病(孤島病)が流行し、やがて野口が気が触れて死亡する。残された三人の極限状況における愛憎物語だ。柾史にとって長年にわたってあたため続けた主題の完成作品といえるだろう。敗戦後、一連の科学史研究に終止符を打った晩年の柾史は、歴史事実や経験を活かした小説や随筆など、文学的にも円熟を増していく。
↓ポチっとクリックありがとうございます。
» Tags:昭和56年, 立風書房, 北海道文学全集, 小説,
Trackback(0) Comments(0) by Yasumine|2009-11-11 14:02
「ゆたり」は時の広告社の登録商標です。
(登録第5290824号)