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根室郷土史(歴史)

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根室郷土史(歴史)
寺島柾史 著

岩崎書店 発行
昭和26年6月30日(1951)初版 

※写真は昭和26年6月30日初版/非売品
●購入先/北天堂書店(札幌市) 代金¥47,700(送料込)
●菊判・上製本・函入・本文866頁

所蔵確認/北海道立文学館/室蘭港の文学館/根室市図書館/根室市歴史と自然の資料館/国立国会図書館/北海道立図書館/東京都立中央図書館/長崎県立長崎図書館 




本書は、昭和18年(1943)戦時中に稿を起し、空襲下の東京から疎開先の雨龍郡の村、更に風連湖畔の牧場など、終戦後も執筆を進めたものである。また、終戦から復興途上の様子、開町五十周年記念祭典の模様及び大根室建設の未来記を追加事項として加えており、実に8年の歳月をかけて執筆された大作で、柾史の愛郷思慕の思いに満ちた随筆風作品でもある。いずれにせよ、少ない文献資料による執筆、戦中戦後の激動の時代であったこと、千島地方が他国の領土となるなど、様々な弊害の中、並々ならぬ努力があったことを思うと、重みのある一冊である。また、巻末の未来記「国際海港都市夢物語」は、SF作家らしい夢と可能性に満ちた将来の地域構想が綴られていて興味深い内容となっている。柾史は緒言でこのようにも述べている。『本書のごとき型破りの郷土史は、極めて類例に乏しいが、これはむしろ、前町長安藤石典氏の要請に依るものである。安藤町長は、従来の町村沿革史の規範に據らず、著者の史眼を信頼し、自由奔放なる叙述を要求したからである』。柾史は、郷土史の発行の年に東京で倒れ、翌年昭和27年4月25日(1952)療養先の室蘭にてこの世を去ることになる(享年59歳)。本書は、郷土を愛した寺島柾史の「魂の結晶」ともいえる遺作だと思うのは筆者だけだろうか。








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» Tags:昭和26年, 岩崎書店, 歴史,

Trackback(0) Comments(0) by Yasumine|2009-09-04 12:12

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