「片足の花嫁」(小説)
寺島柾史 著
北日本社 発行
昭和23年3月1日(1948)初版
※写真は昭和23年3月1日初版/¥50(定価)
●購入先/あきつ書店(東京都) 代金¥10,565(送料・税込)
●B6判・並製本・本文178頁
●装幀・挿絵あり(作者不明)
所蔵確認/国立国会図書館(稀少)
本書は、『北日本社主人のすすめにより、さきに世に出した「舞踏狂女」に次いで、同じく戯作者気取りで書き散らした讀物幾篇をあつめてみた』とあるように、短編小説を集めたものである。表題である「片足の花嫁」をはじめ、「暗殺稼業」「戀を叱る將軍」「博文色ざんげ」「涙の假裝」「刺青くらべ」「盲目の美女」の7編が収録されている。札幌の北日本社から発行された作品は、昭和22年(1947)「舞踏狂女」、昭和23年(1948)「片足の花嫁」、昭和24年(1949)「永遠の初戀」の三冊の単行本のほか、先に紹介した雑誌「北方風物」の三作品が確認されている。この頃柾史は、仲間から純文学と大衆文学の両刀使いと批判されていたらしく、純文学と大衆文学を分類することの莫迦ばかしさや、前項で述べていた文学への信念を繰り返し著わしている。巻末にある北日本社発行の広告欄で「舞踏狂女」の宣伝が掲載されているので紹介しておこう。『粹にくだけた人情噺さては古風な涙の悲劇など作者特異の短篇集/B6、150頁・金二八圓』。
※注意:このブログは戦前戦後を生きた祖父の作品を紹介していますが、筆者自身の思想とは何ら関係ございません。また、その時代を反映した書物ゆえ「ゆたり」の主旨に反する表現があることを予めご了承ください。しかしながら、偏った思想や戦争がすべてを狂わしてしまうことを、私たちは事実として真摯に受けとめなければなりません。したがって、過去から学び、現在の情報を選択・分析する術を知ることが必要と考えております。
Trackback(0) Comments(0) by Yasumine|2008-10-21 20:08
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