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[ゆたりやの亭主] 記事数:256

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我が心の「トム・ウェイツ」

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     昨夜、TVをつけたら
     「不毛地帯」というドラマのエンディングで
     トム・ウェイツの曲が流れていた。
     ドラマは観ていないが、
     主役級の俳優がたくさん出演していることも
     話題になっているようだ・・・。
     それよりも、この曲を選んだ方が偉いと
     ひとりで感激していた。



     トム・ウェイツを知ったのは
     僕が高校三年生だった頃。
     大塚まさじ(元ディラン・セカンド)という
     シンガーソングライターがトム・ウェイツ好きだというので
     聴くようになったのがきっかけだ。

     ファーストアルバムの「Closing Time(1973年)」
     セカンドアルバムの「The Heart of Saturday Night(1974年)」

     あのイーグルスがカバーした「オール'55」も
     トム・ウェイツの作品で有名だが、
     その頃、トムを聴いている人は周りにいなかった。

     アコースティックでジャズ的なアレンジに
     ハスキーヴォイス・・・。
     優しく切ないメロディーに
     男泣きしたものだった・・・。

     「酔いどれ詩人」という異名の
     トム・ウェイツは僕を虜にしていた。

     ストリップ小屋の楽屋の写真が印象的だった
     三枚目のアルバム「Small Change (1976年)」を聴いた時だった。
     今までの嗄れご声に輪をかけて太く低い声・・・。
     僕は驚いた!レコードの回転数が間違えていない?
     そのくらい変わったのだ。

     あまりのダミ声に
     最初は少し戸惑いを感じたが
     何度も何度も聴いているうちに
     哀愁漂うメロディ、やるせない歌詞
     そして美しすぎるピアノとストリングス・・・。
     文句なしにこのアルバムが
     僕の一番のお気に入りになった。

     そして、このアルバムの一曲目が
     ドラマ「不毛地帯」のエンディングに使われた
     「トム・トラバーツ・ブルース /Tom Traubert's Blues」なのだ。
     この曲を選んだ方に乾杯したい。

     この歌のサビで「waltzing Matilda」
     という歌詞が繰り返されるが、
     「ワルツィング・マチルダ」とはオーストラリアの
     第二の国歌として歌われていることでも知られる。
     直訳すると「ワルツを踊るマチルダという女性」
     という意味なのだが・・・。
     ワルツとは、放浪の旅という意味で、
     マチルダとは、放浪者が持ち歩く毛布
     という意味があるらしいのだ。

     オーストラリアで歌われているこの歌は、
     あてのない旅をする旅人が
     一頭の羊を泥棒をしてしまう。
     警官に追いつめられた旅人は池に身を投げ
     自殺するという悲しい歌だ。

     トム・ウェイツが
     旅に疲れた、罪なき犠牲者を
     「ワルツィング・マチルダ」というフレーズに
     置きかえて歌っていることは
     トムの詩に奥行きを感じるだけでなく
     優しい慰めにも似たココロの温かさを感じるのだ。

     自分は行くあてのない旅人と思っていた18歳の頃、
     独りこの歌を聴きながら涙した・・・。
     東京時代、貧乏のどん底で苦悩していた時も
     トム・ウェイツの「ワルツィン・マチルダ・・・」の
     歌声は切ないくらい優しかったことを
     今でも昨日のように思い出される・・・。

     

     To go waltzing Matilda waltzing Matilda
     You'll go waltzing Matilda with me


【レコードコレクション】
クロージング・タイム - Closing Time (1973年)
土曜日の夜 - The Heart of Saturday Night (1974年)
スモール・チェンジ - Small Change (1976年)
異国の出来事 - Foreign Affairs (1977年)
ブルー・ヴァレンタイン - Blue Valentine (1978年)
ハートアタック・アンド・ヴァイン - Heartattack and Vine (1980年)
ソードフィッシュトロンボーン - Swordfishtrombones (1983年)
レイン・ドッグ - Rain Dogs (1985年)
ワン・フロム・ザ・ハート -One From the Heart (1982年)



【CDコレクション】
レイン・ドッグ - Rain Dogs (1985年)
フランクス・ワイルド・イヤーズ - Franks Wild Years (1987年)
ボーン・マシーン - Bone Machine (1992年)
ナイト・オン・ザ・プラネット - Night on Earth (1992年)
ブラック・ライダー - The Black Rider (1993年)
ミュール・ヴァリエイションズ - Mule Variations (1999年)
アリス - Alice (2002年)
リアル・ゴーン - Real Gone (2004年)
娼婦たちの晩餐〜ライヴ - Nighthawks at the Diner (1975年)
ビッグ・タイム - Big Time (1988年)
アサイラム・イヤーズ - Asylum Years (1986年)
アーリー・イヤーズ vol.1 - The Early Years vol.1 (1991年)
アーリー・イヤーズ vol.2 - The Early Years vol.2 (1993年)




【LDコレクション】
ビッグ・タイム - Big Time (1988年)
子供たちをよろしく - STREETWISE(1983年)
ダウン・バイ・ロー Down by Law (1986年)


     トム・ウェイツは実に演劇的なパフォーマンスを演じる。
     酔いどれなんてとんでもない。
     お酒を呑んでステージに立つ振りをしているだけなのだ。
     音楽という舞台で自ら自分を演じていることはもちろん、
     「フランクス・ワイルド・イヤーズ」などのミュージカルの
     作・主演までおこなっている。

     また、個性的な役者としても高い評価を得ており、
     数多くの映画にコンスタントに出演している。

【出演映画】
パラダイス・アレイ Paradise Alley (1978年)
アウトサイダー The Outsiders (1983年)
ランブルフィッシュ Rumble Fish (1983年)
コットンクラブ The Cotton Club (1984年)
ダウン・バイ・ロー Down by Law (1986年)
黄昏に燃えて Ironweed (1987年)
チキンハート・ブルース Cold Feet (1989年)
フィッシャー・キング The Fisher King (1991年)
ドラキュラ Bram Stoker'S Dracula (1992年)
ショート・カッツ Short Cuts (1993年)
フィッシング・ウィズ・ジョン Fishing with John (1997年)
コーヒー&シガレッツ Coffee and Cigarettes (2003年)
人生は奇跡の詩 La tigre e la neve (2005年)
パルナッサス博士の想像力 The Imaginarium of Doctor Parnassus (2009年)他


     トム・ウェイツは進化し続けている。
     特に80年代以降は、劇的に変化し
     トムズワールドを完成させ、現在も進化中なのだ。
     しかし、常にトムに裏切られるファンにとって
     その独創性に足並みを合わせることは難しいことだ。
     それでも、僕自身が錆び付かないように
     現在のトム・ウェイツを感じていたいから、
     トムの音楽には耳を離せないのだ・・・。

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» Tags:トム・ウェイツ, レコード, CD, DVD, LD,

Trackback(0) Comments(8) by Yasumine|2009-11-07 14:02

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