Que c'est bon ! （ク・セ・ボン）

ゆたりやの亭主　晴耕雨音〜人生後半の旅の途中

BLOG by Yasumine

[ゆたりやの亭主] 記事数：256

Que c'est bon ! （ク・セ・ボン）

　　　　　震災から3ヶ月・・・
　　　　　ゆたり倶楽部でもご紹介していた
　　　　　水戸で人気のパン屋さん
　　　　　Que c'est bon ! （ク・セ・ボン）が
　　　　　水戸市見川2丁目岩間街道沿いにオープンした。
　　　　　旧店舗が震災による被害で使えなくなり
　　　　　移転を余儀なくされたからだ・・・。

　　　　　実は4月の中旬頃からデザインの現場は
　　　　　年度末のような忙しい日々が続いている。
　　　　　そして、僕はというと店舗デザインのシゴト・・・。
　　　　　店舗のプロデュースも手掛けるの？
　　　　　と、聞かれることもあるが・・・
　　　　　やってるんです・・・時々。

　　　　　でも、パン屋さんは始めて・・・。

　　　　　クリエイターもモノづくりに関わる方も
　　　　　発注者の要望に応えるのが基本。
　　　　　難題を解決することがシゴトなのだと思っている。
　　　　　デザインのシゴトはどんなに経験を積んでいても、
　　　　　常にそういう経験したことのない事態に直面する・・・。

　　　　　先週から進行していた超短納期の
　　　　　200頁を超える歴史に残る書籍のデザイン制作のシゴトも
　　　　　複雑なプログラムを必要とするWEBサイトのシゴトも。
　　　　　どれもこれも、簡単に流れる仕事はひとつも無い。

　　　　　デザインのシゴトとはそういうものだと思う・・・。

　　　　　真白で何も存在しない「無」から始まる。
　　　　　「出来ない」とか「無理」とか思ったら負けだ・・・。
　　　　　チャレンジする者だけが進歩できる！
　　　　　だから、正直何年やってもビビっているのだ。

　　　　　お客さまの声に耳を傾け、コンセプトを明確にする。
　　　　　頭に画（イメージ）が降りて来て白い紙にスケッチする。
　　　　　そして、スペシャリスト達と議論！
　　　　　その道のプロ達はいろいろな事を教えてくれる。
　　　　　大工・建具・左官・塗装・電気・資材・・・
　　　　　勉強し修正しながら、さらに自分の画を明確にしていく・・・。
　　　　　良いと思われる場合は、現場からの意見を優先する。

　　　　　目的はひとつ・・・お客さまの想いに近づくこと。

　　　　　そして、想いがつながった時・・・
　　　　　お客さまが心から喜んでくれていることを知る。
　　　　　デザイン（裏方）のシゴトの最高のご褒美は
　　　　　発注者の方々の喜ぶ姿であり、
　　　　　想いに応えられた実感こそがシゴトの喜びなのである。

　　　　　↑バックカウンター上の造作。無垢の素材が生きる

　　　　　↑エントランスもナチュラルな素材で手づくり感を。
　　　　　　オーナーさんの要望で、雑貨屋さんのような雰囲気に・・・

　　　　　↑ベーカリー〜店内通路にあるカフェ扉は旧店舗から移設。

　　　　　↑寛ぎのカフェも落ち着いたトーンでゆとり空間を実現。

　　　　　↑カフェのトイレも新しく設置した。
　　　　　　モザイクタイルと珪藻土、建具もオリジナル。
　　　　　　ホーローの洗面ボールがアクセントに・・・。

　　　　　↓下の写真は最初の打ち合わせで訪れた
　　　　　　移転先の空き店舗の様子・・・。
　　　　　　テナント募集の看板が実に気持ち悪い。
　　　　　　店舗3軒分の壁を抜いたような広〜いワンフロアを見た時は、
　　　　　　正直、何にも浮かんでこなかった・・・。