鰻（うなぎ）

ゆたりやの亭主　晴耕雨音〜人生後半の旅の途中

BLOG by Yasumine

[ゆたりやの亭主] 記事数：256

　　　　　ゆたりブロガーの安島夏さんの
　　　　　霞ヶ浦のうなぎを読んでいたら、すっかりやられてしまった！
　　　　　一日中、頭の中から「うなぎ」が離れなくなったのだ。
　　　　　「うなぎ」が食べたい・・・。
　　　　　うなぎ、ううう・・・。

　　　　　「土用丑の日」という言葉があるが、
　　　　　土用というのは、立春、立夏、立秋、立冬、の
　　　　　それぞれの季節の変わり目の前後18日間をいうそうだが、
　　　　　夏の土用は7月20日頃・・・それまで待てない。

　　　　　しかも、いまも伝えられているあの有名な
　　　　　「土用の丑の日にうなぎをたべると夏バテしない・・・」
　　　　　とかいう言葉は、売れないうなぎ屋に頼まれて
　　　　　平賀源内が考えたキャッチコピーらしい。
　　　　　当時の生活者マインドに響く絶妙なコピーだったわけで
　　　　　「土用丑の日」を待つ必要もないのだ・・・。

　　　　　もともと、日本では丑の日には「う」のつく食べ物を
　　　　　食べるという習慣があったようで、
　　　　　梅干しやうどん、瓜などもゲンかつぎの対象だった。
　　　　　もちろん「うなぎ」も夏バテ防止のための
　　　　　食欲増進・滋養強壮として古来から知られていたようだが。

　　　　　・・・そんなことはどうでも良いのだ！

　　　　　「うなぎ」が食べたいという欲望は夜になっても
　　　　　消えることはなく、僕は妻を誘ってうなぎ屋へ。

　　　　　時間をかけて炭火で焼くそれは
　　　　　待つのが常識。
　　　　　待った分だけ味わいも深い・・・。

　　　　　僕は、念願のうな重。
　　　　　妻は、蒲焼きに、キモ焼き2本、熱燗2本？

　　　　　うなぎとご飯という日本人ならではのシンプルな料理だが
　　　　　オリジナル山椒の風味と秘伝のタレが
　　　　　さらに素材好きの日本人の心を魅了する・・・。

　　　　　食べたい時に食べたいものを食べるということは
　　　　　実に幸せなことなのだが・・・。

　　　　　昨夜、セブンイレブンの賞味期限切れ弁当が
　　　　　廃棄される問題がニュースで流れていた。
　　　　　公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで
　　　　　排除措置命令を出したそうだ。

　　　　　ある店舗では実に1ヶ月に30万から40万円相当の
　　　　　弁当が廃棄されるそうだ。
　　　　　国内だけで12,323店舗ということは
　　　　　単純に30万で計算しても毎月3,696,900,000円分、
　　　　　年間44,362,800,000円分の弁当が廃棄させることになる。
　　　　　もちろん、これはセブンイレブンだけの話しではない・・・。

　　　　　なんてもったいないことをしているのだろう。
　　　　　大量に安くつくり大量に陳列し大量に捨てる。
　　　　　便利になった分だけロスも半端じゃないようだ。
　　　　　スーパーでも夜になるとお惣菜や弁当が半額になったりする時代。
　　　　　世界の食材を大量に輸入している日本だからこそ
　　　　　食材を無駄にしないような対策を真剣に考えるべきなのだろう。

　　　　　飢餓に苦しむ人々は10億人とも言われている。
　　　　　世界人口60億人の実に6人に一人が飢餓状態にあるという。
　　　　　それに比べ、私たちの社会はあまりに贅沢で傲慢。

　　　　　人ごとのようにと叱られるかもしれない。
　　　　　そう、僕自身も待つことはそれほど好きではない・・・。

　　　　　誰しも時間をかけてつくるから「待つ」という
　　　　　あたりまえの事ができなくなっているのではないだろうか。
　　　　　時間に余裕のない現代人にとって
　　　　　うなぎ屋で30〜40分「待つ」ということも
　　　　　あるいは注文した惣菜や弁当ができあがるのを「待つ」ということも
　　　　　我慢できなくなってしまったのだろう。

　　　　　だから、できあがったものを大量陳列するということで
　　　　　「待たせない」ことを売りにした生活者サービスができあがったのだ。
　　　　　スピードと回転数・・・味気のない時代だ。

　　　　　「うなぎ」を食べた後、
　　　　　お客は僕たち二人だけだったことに気付く。
　　　　　日本料理の代表でもあるうなぎ。
　　　　　うなぎ屋が賑わう時代は
　　　　　もう来ないのかもしれない・・・。