今日は男性の羽織についてお話します。
羽織は着物の上に着るジャケットのようなものです。
羽織の多くは、色は紺や茶色、グレー。細かい織りの柄はあるけど、遠目には無地に見える、地味な印象です。
でも裏はうって変わって、手描きで、このような粋な柄や、龍などのかっこいい柄が描かれています。
脱いだ時に一瞬見える、いわゆる「チラ見せ」の文化です。
外国のアンティークショップでは、羽織が裏表逆にハンガーにかけられて、売られていたそうです。
きっと「チラ見せ」は外国の方には理解できなかったんでしょうね。
では質問。なぜ「チラ見せ」になったのでしょう?
理由は江戸時代にさかのぼります。
皆さん歴史で習ったぜいたくを禁止するしゃし禁止令で、着物の素材や色、柄を厳しく制限されました。
お金持ちの町人などはお洒落を楽しみたいのに、出来ない状況になってしまいました。
そこで表地は制限道理、地味な色柄にして、脱いだ時に一瞬見える裏地に凝ったのです。
また「四十八茶百鼠」という言葉があります。
これは茶色が48色、グレーは白から黒まで100種類の色数があるということで、江戸の人は、渋い色調の中の微妙な差にこだわり、個性的なおしゃれを楽しんだそうです。
この羽織の表地は6角形の亀甲柄がずっと小さく並んでいる、遠目には無地に見える柄ですが、柄が細かいほど、高い技術と手間を要するので、御値段も高くなります。
現代でも結城紬で、亀甲柄が30㎝幅に100個入る細かさのものは、180万円位で販売されています。
こうした、微妙な色の差を見分ける豊かな感性、非常に細かい織物を作る、高い技術力は、現代の、日本の製品の質や技術力の高さに、脈々と受け継がれていると思います。
さてこうした和のエスプリを楽しんでいただければと思い、「男の着物教室」を企画いたしました。せっかく習った着付けを披露できるよう、楽しいお出かけイベントもご用意しました。
男の着物講座
時間: 15時~17時
日にち:1月19日(土)または1月26日(土)
受講料:3,000円/1レッスン
場所: カルチャースクール和あらかると(ひたちなか市津田)
お出かけ会:2月3日(日)10時~
偕楽園好文亭お茶会と南仏家庭料理レストラン
詳細とお問い合わせはこちらをご覧ください。→http://ameblo.jp/kumihimo-aki/entry-11426334945.html
» Tags:着物, 男性, 着付け, 和風, 教室, 外出,
Trackback(0) Comments(4) by 岩田晶子|2013-01-15 18:06
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